Walking in my town

40代主婦が関西の大学の話と日常を書いてます。

「えいがのおそ松さん」の感想  現代に求められるアンチヒーロー

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【「えいがのおそ松さん」の感想】

 

はじめに 

 昨日時間に余裕があったので、久しぶりに映画でもみようかなと思い、シネコンに行って見たのがこの作品だった。なんかここ数年映画といえばアニメしか見てない気がする。

  上映までの間少し時間があったのでロビーで時間をつぶしていると、「名探偵コナン 紺青の拳」の映画がどこかのスクリーンで終わったらしく観客が大勢出てきた。

 ざっと見て10~20代の子が多かったような感じがする。小学生の親子連れは数えるぐらいしか見なかった。「ふ~んコナンってこのぐらいの世代の子が見る映画なんだな・・。」と思っていたら、私が今から見る「えいがのおそ松さん」はどのような観客が見に来ているのか気になった。

現代に求められるアンチヒーロー

 コナンの客層が10~20代前半あたりなのに対し、こちらはぱっと見20代以上の女性が目立ち、私ぐらいの歳の人も数人いた。そして詳しい容貌は言えないけど「この人オタクかな?」と思われる方もチラホラ。

 

 たぶんなんだけど、この映画ガチマニアの人は毎週見に来てるのかもしれない。入場者にもらえるステッカーは週替わりだし、映画の前説も週替わりらしいのでそれを全部見たいという人は毎週見に来ているんじゃないかと思った。


 賛否両論あるかもしれないけど、私がこの映画を見て感じたメッセージは、


「今を精一杯生きろ。」
「背伸びしないありのままの自分で構わない。」
「そんなあなたを見ている人はどこかにいる。」

 

 先ほどのコナンと比較すると、コナンはヒーローで松野家の六つ子はアンチヒーローだ。私はコナンの映画を見たことがないけど、毎年CMで見る予告編見ても、コナンはカッコいいし、映画でも大活躍する。一方で、六つ子はニートで世間から後ろ指をさされる存在として描かれている。

 

 このアンチヒーローって現代が欲しているものなのかもしれないなんて映画見ながらぼーっと考えていた。


 目まぐるしく変わる現代、仕事に勉強に効率が要求される時代。意識が高く多くの人間を巻き込んで様々なことを同時に動かせる行動力のある人がもてはやされる一方で、この時代の波に乗れなくてしんどい思いをしてる人もたくさんいるのだ。

 

 「あのときに努力してれば・・」なんて今くすぶってる大人なら一度は考えることだけど、そのままの自分を認めることも大切だ。劇中で散々バカにされるニートの六つ子を見ながら「こんなのにはなりたくないわ。」と笑える一方で、彼らのたくましさは現代を生きるために必要なスキルなのかもしれないと思った。

 

自虐の詩」に通じるメッセージ

 このメッセージに似た作品といえば実写映画化もされた業田良家の漫画「自虐の詩」を思い出す。

 

自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

 

 

 

自虐の詩 (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

自虐の詩 (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

 

 

 主人公の幸江さんは美人でもないし、貧乏だし、不幸の連続で苦労が絶えない生活を送っているけど、それでも彼女には彼女の存在を大切に思う人達がいて、彼女自身も自分の存在が不要ではないということに後半気づいていくところはもう涙なしで読めないぐらいの名作だ。

 

 世の中に自分が必要か不要かは他人が判断することではない。自分自身が必要だと考えることだ。「自分は不要な存在だ。」と見切って自殺していまう人間もいるが、それは他人の価値観に支配されてしまった成れの果てではないかと思う。

 

 人生の本当の成功なんて死ぬ間際にならないとわからない。だから短期間に結果を出してみんなから認められるようなヒーローやヒロインでなくっても、時には脱力系だって、かっこ悪い自分だっていいじゃないと自分で認められるようになることが、ストレスフルな現代を生きる鍵なのかもしれない。


 おそ松さんは1期しかまともに見てないけど、あのとき爆発的に人気が出たことだけはよく覚えている。批判をうけるかもしれないけど、個人的に彼らのようなアンチヒーローが受け入れられる背景にはこうした事情があるのではないかと思うのだ。

おしまいに

 この映画は特にレイティングがないのだけど、子供にはまったくおススメできない映画だ。ニートが云々よりも、映画はTV版より控えめとはいえ下ネタがところどころ含まれているので、やはり子どもと見に行くならコナン選ぶかな。(あれも人がいつも死ぬのでどうかと思うけど・・・。)